京観世・能楽師 十四世・林喜右衛門の襲名祝賀会〈ご報告〉
3月20日に、林宗一郎、改め、十四世・林喜右衛門の襲名披露の祝賀会でした。多くの皆さんにお集まり頂くことができました。発起人の一人として、心より御礼申し上げます。私、森田玲は、祝宴に駆け付けて下さった伊勢大神楽(山本勘太夫)の解説をさせて頂き、また、森田桜は花束の贈呈の大役を賜りました。時代を超越するカミとヒトとの魂の物語を紡ぐ能楽師の、新たな物語の始まりに立ち会えたことを嬉しく思います。
十四世・林喜右衛門さんとは十五年ほどのお付き合いとなります。その間、京都市芸術文化特別奨励者として共に活動し、また、祇園祭・岩戸山での「天岩戸のカミあそび」では、毎年、充実した時間を一緒に過ごさせて頂いております。
当日の次第に記した伊勢大神楽の説明は以下の通りです。
伊勢大神楽〈いせだいがくら〉往古より伊勢神宮と結び付いて諸国を訪れ、家々を巡りながら清祓をして獅子を舞い、神札を配り歩く伊勢大神楽。よく見られる四本足で表現する聖獣としての唐獅子とともに、人のように二本足で獅子が立ち、鈴や扇を採って舞う芸態が特徴的です。加えて、散楽系の放下(ほうか)と呼ばれる曲芸を披露し、至芸をこなす太夫とチャリ(道化師)との万歳が笑いを誘います。本日は、能楽と共通の演題となる、獅子が狂う舞「神来舞(しぐるま)」〈石橋〉と、剣を頂いた竹竿を額に立てて地面を踏む「剣三番叟(つるぎさんばぞう)」〈三番叟〉を披露します。



